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襲った女

2018/ 09/ 22
                 



あれは5年前の話だ。
俺の弟は悪グループとつるんでいた。
万引き、どこかの弱そうな親父を脅してお金を巻き上げたり
弟はいつも自慢げに俺に話してきた。
正直、弟とは関わり合いたくなかったから適当に相槌を打っていた。
お袋は小さい頃、病気で亡くなった俺達は親父に育てられたんだ
でも、親父は最低なやつでお袋が死んだあと女遊びに明け暮れていた。
そんな親父だから、弟が悪いことをやっていることを知りながらも
咎めることはしなかった。

まあ、俺も弟はそのうちポリに捕まるだろうと思ってたし、
注意することもなかった。
そんな弟がある日、いつもより興奮した口調で俺に言ったんだ。

「女を襲ったって」

弟の話では1人歩きしてた女を車の中にさらって人気のない山林で集団レイプしたらしい。
ネットで流すぞって脅したから、誰も言わないだろうって弟は自慢げに言っていた。
俺はこんな弟と一緒に暮らすのが嫌で実家から飛び出し一人暮らしを始めた。
それから、しばらく立って、弟から携帯に電話が掛ってきた。
「兄貴どうしよう……」
「ん?どうした?」
「レ○プした女からメールが来るんだ」

「アドレス教えたのかよ?」
「知りあいでもないし、教えるわけない」
「大体、メールぐらいで何びびっているんだよ?」
「だって、レ○プした女は自殺してもうこの世にはいないんだぜ?」
その時、背筋がぞっとしたと同時に関わり合いたくないと思った。
で、弟にこう言い放った。
「お前が、まいた種だろ? 自業自得。悪いが俺に二度と電話してくるな」
そう言うと俺は弟の番号を非通知にした。

しかし、弟は俺のアパートに何度も尋ねてきた。
「兄貴助けてくれよ。仲間の1人が行方不明なんだ」とか
「俺も呪い殺される助けてくれよ」とか
尋ねてくる弟が精神的ストレスからか?
どんどん痩せているように思えたが俺には関係のないこと。
門前払いを繰り返した。

それから、しばらくすると弟が尋ねてくることはなくなった。

俺は安心感に浸っていると、弟が尋ねてくることがなくなってから
二か月ぐらい過ぎた時、親父から電話が掛ってきた。
どうやら、弟は自殺したらしい。
弟の葬式に終わったあと、親父が一日だけ実家に帰って来るように言ってきた。
まあ、今日ぐらいに帰ってあげるかと実家に帰った夜。
親父から弟の思い出話を訊かされ続けた。
親父も父親らしい感情があるんだなと感心してたら最後の言葉に耳を疑った。
「俺の女を犯したから罰があたったんだよ」
その言葉に水を浴びたような恐怖を覚えた俺は家を飛び出した。
今現在も実家には帰っていない。(終)



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